Market Cycle & Phase(市場サイクルとフェーズ)

Regime Research / Part 2

Market Cycle & Phase

市場サイクルとフェーズ

株価はイベントによって動きます。しかし、より深く相場を規定しているのは、 その背後にある市場サイクルとフェーズです。

市場サイクルとは何か

株価は、イベントやショックによって大きく動きます。 しかし、イベントやショックよりも地味でありながら、 株価の動きを深く規定しているものがあります。

それが市場サイクルです。

市場サイクルとは、単なる価格の上下ではありません。 景気、金利、企業業績、政策、信用、流動性、投資家心理が組み合わさって形成される、 相場の大きな循環構造です。

Market History DB では、この市場サイクルを、 日本株市場における「〇〇相場」と呼べる大きな歴史的構造として捉えます。

フェーズとは何か

一つの市場サイクルの中にも、複数の局面があります。 回復初期、上昇トレンド形成、本格上昇、バブル形成、天井圏、崩壊、底打ち。 これらの局面を、Market History DB ではフェーズとして整理します。

つまり、市場サイクルが大きな相場の時代区分だとすれば、 フェーズはその中にある構造的な局面区分です。

Cycle と Phase の関係

Market Cycle は大きな相場循環、 Phase はその循環の中にある局面です。 同じイベントでも、どのフェーズで起きたかによって市場への意味は変わります。

強気相場の心理的サイクル

米国の著名投資家ジョン・テンプルトン氏の言葉として、 次の一節がよく知られています。

Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria.

強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。

この言葉は、市場の一つのサイクルと、その中に存在する複数のフェーズをよく表しています。 相場は単なる上げ下げではなく、心理、流動性、政策、業績、信用の状態によって、 異なる局面を移り変わっていきます。

浦上邦雄氏の相場サイクル論

日本株の文脈では、浦上邦雄氏の相場サイクル論も重要です。 相場サイクルを「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」の4局面に分類し、 金利と企業業績の動向から相場の位置を見極める考え方です。

金融相場

不景気の株高。金利低下・業績低迷の中、金融緩和を背景に株価が上昇する局面。

業績相場

好景気の株高。景気拡大と企業業績の改善を背景に株価が上昇する局面。

逆金融相場

好景気の株安。金利上昇や金融引き締めを背景に株価が下落し始める局面。

逆業績相場

不景気の株安。景気後退と企業業績悪化を背景に株価が下落する局面。

この理論は、金利と業績という実務的な観察軸から、 相場がどの局面にあるのかを判断しようとする点で、 Market History DB のレジーム分類とも深くつながります。

波動・景気循環との接点

ラルフ・ネルソン・エリオット氏が提唱したエリオット波動理論も、 相場の値動きを上昇波と下降波の組み合わせとして捉える点で、 市場サイクルとフェーズの考え方に通じます。

さらに、経済全体にはコンドラチェフ循環、ジュグラー循環、キチン循環など、 さまざまな景気循環の考え方があります。 株式市場は、これらの経済循環、金融政策、信用サイクル、投資家心理と結びつきながら動いています。

Market History DB では、これらの既存理論をそのまま採用するのではなく、 1950年以降の日経平均株価に適用できる形で、 市場サイクルとフェーズを実務的に定義していきます。

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