Why Regime Matters(なぜレジームなのか)

Regime Research / Part 1

Why Regime Matters

なぜレジームなのか

相場を「イベント」ではなく、「市場サイクル」と「フェーズ」による構造として捉える。 Market History DB における相場史レジーム研究は、この問いから始まります。

はじめに

たとえば、イランがホルムズ海峡を封鎖したとします。 原油価格が急騰し、株式市場は世界的に急落する。 株式投資をしている人なら、そこで一度はこう考えるはずです。

この急落は買いなのか。あるいは売りなのか。

「そんなことは分からない」「長期投資だから関係ない」と考える人もいるでしょう。 もちろん、それも一つの考え方です。 しかし、本当に何も考えなくてよいのでしょうか。

では、考えるとしたら何を手掛かりにするのか。 原油価格の上昇が企業業績に与える影響、政府の対応、中央銀行の金融政策、 為替や金利の反応など、見るべき材料は多くあります。

しかし、それらを総合して私たちが最終的に参考にするものは、 やはり歴史ではないでしょうか。

市場は歴史を参照して動く

戦争、震災、疫病、金融危機、原油ショック、株価大暴落。 形は違っても、相場に大きな影響を与える出来事の多くは、 過去にも何らかの形で起きています。

その時、相場がどう動いたのか。 株価データを遡れば、過去の市場反応を確認することができます。 もちろん、過去と現在が完全に同じになることはありません。 しかし相場は、しばしば似たような構造をたどります。

なぜなら、市場参加者も、政策当局も、企業も、金融機関も、 過去の同様の事例を参照しながら行動するからです。

中央銀行は過去の危機対応を参考に金融政策を決めます。 政府も、銀行も、事業会社も、前例を意識しながら意思決定を行います。 市場は過去を忘れているようで、実際には過去に強く影響されています。

問い

1980年代のイラン・イラク戦争、いわゆるタンカー戦争において、 1986年9月頃にイランがホルムズ海峡に機雷を敷設し、商船被害が拡大した時、 日経平均株価はどのような動きをたどったのでしょうか。

参考:イラン・イラク戦争(タンカー戦争)

このように、過去のイベントとその後の相場展開を確認することは、 現在の市場を考えるうえで重要な手掛かりになります。

ただし、ここで終わってしまうと、Market History DB が目指すものには届きません。 重要なのは、個別イベントの比較だけではなく、 そのイベントがどのような市場構造の中で起きたのかを理解することです。

なぜイベントだけでは不十分なのか

同じようなイベントが起きても、市場の反応は常に同じではありません。

たとえば、同じ地政学リスクでも、 強気相場の初期に起きた場合と、バブル的な上昇の終盤に起きた場合では、 市場の受け止め方は大きく異なります。

同じ急落でも、長期下落相場の始まりなのか、上昇トレンド中の一時的な調整なのか、 あるいは底打ち前の最後の投げ売りなのかによって、意味はまったく変わります。

だからこそ、Market History DB では、 個別イベントを単独で見るのではなく、 そのイベントがどの市場サイクルの、どのフェーズで起きたのかを重視します。

Market History DB の基本思想

相場はイベントではなく構造である。 イベントはきっかけであり、レジームそのものではありません。

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