いざなぎ相場(1965-07-13 – 1971-08-14)

phase
いざなぎ相場(1965-07-13 – 1971-08-14)
Market Phase

いざなぎ相場

1965-07-13 – 1971-08-14

証券不況による長期低迷を脱し、日本株市場が再び高度経済成長を織り込み始めた上昇フェーズ。 金融緩和、戦後初の赤字国債発行、企業業績の回復、市場参加者の回帰、 そして新しい成長産業への期待が重なり、日本株は長期上昇局面へ移行しました。

相場は完全に大底を脱した。二度と一〇二〇円の安値はないはずだった。 だが兜町の環境は大病直後であり、まだ病み上がりで、 なにかが加わらない限り更に上値を目指して伸びていくことは、期待できない。

そのなにかとは機関投資家、つまり法人筋の買い出動であり、 大衆投資家が兜町へカムバックしてくることだった。
『兜町物語』
清水一行 p.81–82

1965年夏。証券不況によって長く低迷していた日本株市場は、 日経平均1,020円台を底に反発へ転じました。

当初は仕手株や増資発表銘柄を中心とする反発でしたが、 やがて低金利を背景とした金融相場、企業業績の回復を評価する業績相場へと発展していきます。

さらに、機関投資家や個人投資家が市場へ戻り、 家電、自動車、電機など新しい成長産業へ資金が流入しました。 いざなぎ相場は、証券市場への信用回復と日本経済の成長期待が重なった長期上昇フェーズでした。

フェーズ概要

基本情報
  • Regime:高度経済成長期
  • Phase:いざなぎ相場
  • 期間:1965-07-13 – 1971-08-14
  • 日経平均:1,026.77 → 2,740.98
  • 相場形状:上昇

相場推移と主要イベント

本フェーズにおける日経平均株価の推移と主要イベント。 チャート上のアノテーションから当時の市場環境や重要な出来事を確認できます。

初期表示:1965-07-13 〜 1971-08-14 / 取得範囲:1950-01-01 〜 2026-08-14 / イベント重要度:1以上

この期間の出来事

なぜ「いざなぎ相場」なのか

このフェーズは、証券不況後の単なる自律反発ではありません。 金融緩和、財政政策、企業業績の回復、市場参加者の回帰が重なり、 日本株市場が本格的な長期上昇へ移行した局面です。

相場は当初、仕手株や材料株を中心に反発しました。 しかし、その後は低金利を背景とする金融相場、 さらに企業業績の改善を評価する業績相場へと性格を変えていきます。

機関投資家や法人筋の買いが戻り、個人投資家も再び市場へ参加しました。 この市場参加者の回帰が、証券不況で損なわれた市場の需給と信用を回復させました。

そのため、いざなぎ相場は 市場への信頼回復を起点に、金融相場から業績相場へ発展した長期上昇フェーズ として位置付けられます。

市場構造

金融緩和への転換

証券不況期の金融引締めから緩和方向へ政策が転換し、 低金利環境が株式市場への資金流入を支えました。

戦後初の赤字国債発行

景気下支えのため、政府は戦後初となる赤字国債を発行しました。 財政政策が市場と景気を支える新たなドライバーとなりました。

戦後初の赤字国債発行

企業業績の回復

景気回復と高度経済成長を背景に、相場は低金利を評価する金融相場から、 企業収益を評価する業績相場へ発展しました。

市場参加者の回帰

機関投資家、法人、個人投資家が再び市場へ戻り、 証券不況で失われた流動性と市場への信頼が回復しました。

ゲンダイ銘柄

家電、自動車、電機など、新しい生活様式と産業成長を象徴する企業群へ資金が流入しました。 成長産業そのものが投資テーマとなった局面です。

ゲンダイ銘柄

市場信頼の回復

公的市場安定化策によって危機が抑えられた後、 売買高の回復と株価上昇を通じて、証券市場への信用が再構築されました。

戦後初の赤字国債発行

いざなぎ相場の背景として重要なのが、1965年の戦後初となる赤字国債発行です。

証券不況と景気減速に対応するため、政府は緊縮財政から景気下支えへ方針を転換しました。 これは、金融政策だけでなく、財政政策が景気と株式市場を支える構造への転換を意味します。

この財政拡張は、公共投資や民間需要を下支えし、 金融緩和、企業業績改善とともに、いざなぎ相場を支える重要な政策ドライバーとなりました。

Regime Driver

Fiscal Policy: 緊縮から財政拡張へ。政府による景気下支えが市場の回復を後押ししました。

ゲンダイ銘柄と投資テーマの転換

いざなぎ相場では、株式市場で物色される企業群にも変化が現れました。

家電、自動車、カメラ、電機など、生活水準の向上や輸出拡大を象徴する成長企業が 「ゲンダイ銘柄」として注目を集めます。

これは単なる銘柄物色ではありません。 日本株市場が、重厚長大型産業だけでなく、 消費社会の拡大や新しい生活様式を担う産業を評価し始めたことを示しています。

この意味で、ゲンダイ銘柄は 成長産業への期待が独立した投資テーマとして資金を呼び込んだ初期事例 と見ることができます。

Regime Driver

Investment Theme: 家電・自動車・電機など、高度経済成長を象徴する新産業へ市場資金が集中しました。

このフェーズの意味

いざなぎ相場は、証券不況から立ち直った市場が、 日本経済の成長力を再び株価へ反映させた長期上昇フェーズでした。

その上昇を支えたのは、企業業績だけではありません。 金融緩和、赤字国債発行による財政拡張、市場参加者の回帰、 新しい成長産業への投資テーマが同時に作用しました。

仕手株相場から金融相場へ、そして業績相場へと発展した過程は、 市場の信用と機能が段階的に正常化したことを示しています。

この意味で、いざなぎ相場は 市場信頼の回復と成長産業への資金流入を伴った、金融・財政・業績複合型の上昇フェーズ と定義できます。

フェーズ転換

いざなぎ相場の終盤、日本経済は高度経済成長を続けていましたが、 国際金融体制は大きな転換点を迎えます。

1971年8月、米国によるドルと金の交換停止を契機に、 戦後の国際通貨体制は崩れ始めました。 国内の高度成長を支配的要因としてきた日本株市場は、 為替、国際金融、資源価格に左右される新たなレジームへ移行します。

次のフェーズは 「ブレトンウッズ体制崩壊期」 です。

次フェーズ

いざなぎ相場 → ブレトンウッズ体制崩壊期

相場史データベースにおける位置づけ

相場史データベースでは、いざなぎ相場を単なる高度経済成長による株高ではなく、 証券不況から市場への信頼が回復し、金融・財政政策、企業業績、 市場参加者、投資テーマが重なって形成された複合型の上昇フェーズ として位置付けています。

特に重要なのは、機関投資家や個人投資家が市場へ戻り、 証券市場が本来の資金循環機能を回復したことです。

また、赤字国債発行による財政政策の転換と、 ゲンダイ銘柄に象徴される成長産業への資金流入は、 その後の日本株市場でも繰り返し現れる重要なレジームドライバーとなりました。

参考文献

https://www.amazon.co.jp/%E5%85%9C%E7%94%BA%E7%89%A9%E8%AA%9E-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B8%85%E6%B0%B4-%E4%B8%80%E8%A1%8C/dp/4087492192

本記事は編集プロセスの一部に生成AIを活用しています。 記事内容は生成結果をそのまま掲載するものではなく、 編集者による確認・調査・加筆修正を経て公開しています。

コメント